【第4話】Team History 2011-2019

エッセイ
2

第3話はこちら


2013年10月。
HYTの活動が休止してから約半年の月日が経過していた。

それぞれが新しい環境にも慣れてきたところで、久しぶりに体育館を借りてバスケをしようという話になった。とは言っても、HYTで活動していたメンバーのうち数人は県外に行ってしまっている。そのため、チームのメンバーではなかったものの、度々参加してくれていた上野を中心に、高校時代に仲の良かった友達も募ってバスケをすることになった。

平田とは、社会人になってからも変わらずよく遊んでいたものの、他は久しぶりに再会する友達ばかり。体育館に足を踏み入れると、そこには懐かしい面々が居た。高校生の頃のように、軽くアップをしてからすぐに紅白戦を始めた。社会人になってからというもの、ひたすらデスクワークに勤しんでいた自分の体は鉛のように重かったけれど、気持ちだけは爽快だった。

やっぱりいつになってもバスケがしたいな。

素直にそう思った。
嬉しいことに、この気持ちを感じていたのは自分だけではなかったようで、それから毎週のように体育館を借りてはバスケをした。

気付けば、高校生の頃に夢見ていた「社会人バスケ」の試合に出たいと思うようになっていた。しかし、当時自分が知っていた長崎の社会人バスケというと、どれもトーナメント制の大会であったため、今のチームの実力を考えるとリーグ戦で戦えないものかと悩んだ。逸る気持ちを抑えきれず、スマートフォンとにらめっこしていると、あるサイトが目に留まった。

長崎フープリーグ

トーナメントではなく、リーグ戦を戦える環境がそこにはあった。
サイトを読み進めていくと、なんとその年に発足したばかりのリーグで、来シーズンの参加チームを募集していた。これだ!と思い、すぐにメンバーの数人に話をした。
そして、活動再開から3週が経った日の練習後、上野と、上野の友達という立場で参加してくれていた敦志の3人で、チームの今後について話すためにファミレスへ行った。

当時のメンバーは、自分たちの年代である19歳が大半を占めており、次点で1つ下の高校3年生のメンバーで主に構成されていた。そのため、リーグに参加のお願いをする以前に、ユニフォームをどうしようかという話で集まったのだ。これについては比較的シンプルに纏まり、社会人である自分たちが高校生のユニフォーム代を半額支払ってあげることで負担を減らしてあげようということになった。後に、高校生だったメンバーはこのチームの主力として君臨することになる。そんな彼らを「今ならユニフォーム代50%オフ!」のセールで丸め込んだと考えれば、安い投資である。こんな言い方をするのはいかがなものかと思うが、それほどまでに彼らの活躍にこれまで何度も助けられてきた。

次に話題に上がったのは、チーム名。HYTというチーム名にもすっかり馴染み、高校生の頃には勢いでチームのTシャツまで作ってしまったのだが、「この機会にもっとイカしたチーム名にしよう!」と3人で張り切って考え始めた。数時間もの時間をかけても決まらなかったと思う。22時ごろから少しの食事とドリンクバーで食いつないできたものの、考えれば考えるほど思考は止まり、追い討ちをかけるように疲れや眠気も襲ってきたタイミングで、誰かがボソッと呟いた。

「Planet…」

「いいやん!」

さて、何が良いのか。直訳で「惑星」。冷静に考えるとさっぱり分からない。あの頃、あの瞬間の3人は横文字なら何でも良かったのだろうか。つい数分前までは、あれやこれやとそれぞれの口から出る名前を却下していたのだから、そんなことはないはずだ。しかし、タイミングとは一期一会なのだろう。おそらく、あのタイミングで出た単語が「Planet」ではなく「Peanut」だったら、間違いなくうちのチームは「ピーナッツ」になっていたと思う。なぜか誰一人異論を唱えることもなく、こうしてチームの改名が決まった。

ちなみに、HYTの創設メンバーは自分・平田・増田の3人で、この時Planetとして活動再開のメインとなったのは自分・上野・敦志の3人。どちらのチーム名を決める時にもその場に居たのは自分ただ1人なのだが、おそらくチーム名に最も拘りがないのが自分なのだろう。誤解しないでいただきたいのは、どちらのチーム名にも同じくらいの愛着があるということ。個人的には、大切なのはチーム名じゃなくて「居心地」だと思う。居心地が良いから、チーム名にも自ずと愛着が湧くのだろう。

それから程なくして、リーグに対し参加希望の連絡を入れた。

HYT結成から2年半。活動再開から間もなく、チームは変革期を迎えていた。


続く

第5話はこちら

スポンサーリンク
2件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

エッセイ
歩く人と止まる人

さて、今日の記事は何を書こうか。記事を書けない状況にあるときには次々と書きたい話題が次々と出てくるのに、かしこまって考えてしまうと出てこない。駅からはバスで帰るため、駅に着くまでの20分間で今日更新する内容を決めよう。文章はそれからだ。最近買い替えたばかりのスマートフォンをポケットにしまった。

エッセイ
3
【第14話(終)】Team History 2011-2019

こんな経験が出来たのは、ひとえに自分の発言に賛成し一緒にHYTを立ち上げてくれた平田・増田。Planetとして活動するきっかけを作ってくれた上野・敦志。活動休止後に再起を促してくれた健斗・宏嗣・和也。そして村崎・蓮・泰樹をはじめ、今までもこれからもチームに関わってくれたメンバーや周りの支えがあってこそだと、心から感謝している。

エッセイ
2
【第13話】Team History 2011-2019

前回参加していた時はリーグの参加は強要していなかったものの、「みんなが出るなら…」くらいの気持ちで登録をしてくれていた人もいると思う。しかし今回の選手登録は、同じように「出たい人は登録して、試合は出なくてもいいという人は強制はしない」と言い、それぞれが本当の気持ちで登録したり、登録しなかったりの選択が出来た。