「年中さん」の頃、僕の両親が離婚した。僕たち兄弟の親権を得た母は当時住んでいた女の都の県営アパートを出て、祖父母が住む土井首へ住民票を移動。2人が住むには広々としていた4LDKの一軒家はあっという間にぎゅうぎゅうになり、僕たち兄弟は6畳の部屋を分け合った。小さい頃に3つ並べていたはずの布団はいつしか2つになって、それ…
僕が足を踏み入れた居酒屋は、とてもとても密だった。
— 8月1日、空いとる?— 18時半に仕事が終わるので、それから大丈夫です!そんなやり取りをしてからというもの、あっという間に過ぎ去ってしまった7月。新しい職に就き、レジに打たれながら仕事を覚え、時たま波のように押し寄せる会計をバンバンと済ませられるようになった頃からイベントを企画した。ゲストを呼んではひたすら話し、…
もし、一生の中で話せる言葉の数が決まっていたのなら。
東アジアにある、小さな島国の西の果て。GoogleEarthが長崎県に向かってぎゅう〜っと寄っていく画を言葉にすると、そんなところだろうか。更にそこから南側にある長崎市の、また更に南側から文章を書き始めて、約1年の月日が流れた。色々な出会いや繋がりに恵まれて、いまは個人で運営しているこのサイト以外でも筆を執らせていた…
人は、仕事じゃなくて居場所を探す生き物だから。
—私はコンテンツを持ってないから。先日インタビューをさせていただいたn-spaceの友さんと話をしていると、よくそんな話になる。すると、同じくn-spaceの立石さんが決まって「中村友がコンテンツだから!」と諭すのだけど、当の本人は腑に落ちていない様子。—ちょーのは文章も動画もあるから。これはその2人からよく言われる…
宝物をなくしたのは、利き腕のせい。
外出を控え始めて、どれくらいの時間が経っただろうか。朝の品川駅に始まる人通りチェックは、昼の浅草、夕方の渋谷とルートが出来上がっていて、バラエティ番組で息抜きをしようにも「※3月上旬に撮影されたものです」というテロップで現実に引き戻される。簡単な事って勘違いをしていたら判断誤って後ろを振り返るんだ何だっていつも近道を…
酸いを吐く私と、甘いを届ける妻の話。
昨年生まれたばかりの息子を妻ひとりに任せて4ヶ月。2月の下旬に航空券を予約してからというもの、来る初節句に向けて五月人形を買い、ちょっぴり豪華な料理をネットで漁って、野母崎の鯉のぼりをバックに家族写真を撮ろうと期待に胸を膨らませていた。本当であれば、来週にはルンルンで長崎への空の旅を満喫しているはずだったけれど、新型…
竹口耕輔と申します!自己紹介と初エッセイ
はじめまして!このたび「遊ぶ門には福来る。」さんとありがたくご縁がありまして、今後こちらでライターをさせていただくことになりました、竹口 耕輔と申します。諌早市出身、長崎市在住の31歳(2019年現在)です。昔から、身の回りの物事を自分のフィルターをとおして文章におこすことが大好きでした。「文章をかくことを仕事にした…