本を読むことが大好きだった少年時代。

小学校3年生の頃から特に夢中になっていたのが、講談社・青い鳥文庫の「パスワードシリーズ」。電子塾という通信教育サイトで出会った小学生たちが、電子探偵団として様々な謎や事件を解決していく物語だ。

当時からドラマや映画の世界に影響されやすかった私は、このときも迷うことなく触発されて、家にあった古いデスクトップPCのスイッチを入れた。

この頃はRAK2ホームページ作成というサービスを使って無料のサイトを運営している人が多くて(あくまで自分が検索する範疇では)、似たようなサイトがたくさんあったけど、検索して1番目に出てきた電子塾にアクセスして、電子探偵団の扉をノックした。

顔の見えない友だちと小説の感想を話したり、部活のことを話したり、いま思えばリスキーなことをしていたが、顔の見えない誰かと文字でコミュニケーションを取るという非日常がとても楽しかった。

それからチャットに慣れてきた私は、電子塾の中にある国語の掲示板を使って「大泥棒マレイド・ドゥッチの大脱走」という物語を書いた。ジャムみたいな名前の主人公、ポケモンとワンピースを足して2で割ったようなハチャメチャな設定、更に内容はミステリーというとんでもない作品だったけれど、それはもう夢中でキーボードを叩いていたことを覚えている。

あれから16年。

紆余曲折あったけれど、辺境のようなこのサイトの編集長を名乗り、声を掛けてくれたウェブメディアのライターをし、ついに6月から仕事をいただくまでになった。

もちろん、好きなことを続けてきた結果であることは間違いないし、私の文章を評価してくださる人がいるということに感謝は尽きない。だけど今回は、何よりも出会いと繋がりが大切だと言うことを伝えたい。

前置きが非常に長くなってしまったけれど、今回は私に多くの出会いと繋がりをくれたコミュニティグループ・chiicoLab. の運営に携わっている、n-spaceプロジェクトの立石健悟さん中村友さんに話を伺った。

(話が盛り上がり、インタビューの内容から逸脱しすぎて、仕切り直しまで対応いただきました…!)



長野:リベンジ、よろしくお願いします!


中村:おやつは500円までだかんね、リーダー。


立石:分かってる、今日は大丈夫。(笑)


長野:まず、n-spaceについて教えてください。


立石:最も簡単に言うと、イベントの情報を前もって知らない人が多いという印象から発想したアプリケーションの開発プロジェクト。

例えば、夢彩都に買い物に行ってみたら、おくんち広場でイベントがあっていましたと。「あ~イベントやってんだ!」って気付いてからみんな立ち寄るじゃん。ほとんどの場合がそうだと思うのよ。

おくんち広場を使って開催する規模感のイベントですら、その状態。かもめ広場でよくやってる「パンマルシェ」とか「あいぱく」とか、そういう規模感までいけばみんな知ってるんだけど。めちゃめちゃコマーシャルするし。

そういう意味では、事前の発信力が圧倒的に弱い。

色んなメディアを見ても、あとから発信することの方が多い。開催中の写真や動画、参加した人の声があってのことだから特性上は仕方のないことなんだけど、もっと事前に発信することがあった方がいいんじゃないかなぁっていう。

週末に子どもを遊びに連れて行こうと思って、長崎・子ども・イベントでググっても、ほとんど出てこないのよ。


長野:たしかに。


立石:大きいところは出てくるんだけどね。例えば、伊王島とか干拓の里とか。


長野:既にキュレーションサイトに載ってるようなところですね…。


立石:でも絶対どこかで有志のイベントをやってるのよ、その人たちももちろん知ってほしいはずなんだけど、そういうのって後で見かけるんだよね。

「こういうことやりました~」って。


中村:そうだねぇ。


立石:やったことを言われても困る。じゃあ俺、この先1年間これを覚えておかないといけないの?って。本当に覚えておこうとしたこともあるけど、実際覚えてられないから!(笑)

そういうのが、ちゃんと発信できるような「みんなが見る掲示板」みたいなのがあれば、シンプルに楽しいんじゃないっていう。


長野:うんうん…。そんなアプリを開発しているのがn-spaceプロジェクトですね。


楽しいことが好きだけど、人に物事を伝えると真面目になりすぎると悩む立石さん。こんなに楽しい表情するのに…!(笑)



長野:このプロジェクトの中でも、アプリを作っている開発チームと、プロモーションチームに分かれていると思うんですけど、立石さんが考えるプロモーションチームの仕事ってなんですか?


立石:ちょっとごめん、離れていい?


中村:お酒がなくなったのかな。(笑)

私もこれ、原点に戻るとなると忘れてるなぁって思う。今までインタビュー受けた人たちも、みんなこうやって振り返るのかなって…。

今のリーダーの話を聴きながら、あぁそうかそうかって。私、たまにズレていくときがあるからさ。「ズレてるよー!どっちいくのー!」って引き戻されるの。(笑)


立石:どこ行くのー!って。(笑)


中村:そして私がキレる。(笑)


立石:でもね、それで言ったら中村さんの感覚が正しいことも多いのよ。ぱーんって。口では「どこ行くのー!」って突っ込んでるけど、「お?なんでいまそんなこと言った!?」って考えさせられることが多くて。

それこそ、プロモーションチームでchiico Lab. を作ろう!って話になったときに「西野亮廣エンタメ研究所に入る」って言いだした。その時はなんで?ってなって。(笑)

今でこそchiico Lab. がオンラインサロンみたいになってるのは分かるんだけど、当時の俺はそこが繋がってなくて。ずーっと考えてたら「俺が間違ってる!そうだ、オンラインサロンだな!」ってなった。


中村:ありがとう~。(笑)


長野:すごい!(笑)


中村:さっき、ちょーのが言った「プロモーションチームは具体的にどういうことをするのか」っていう質問だと、そもそもプロモーションチームを作ろうっていう発想がなかったもんね。


立石:うんうん。


中村:それこそ「アプリを作る」ってだけで動いてたじゃない。どうやって広げんのってなったんだっけ?


立石:構想はもう少し前からあって。アプリケーションを作りたいけど、俺はできないじゃん。エンジニアじゃないから。だから、エンジニアに声をかけて、人を集めて、いざ作ってもらおう!ってなった時に「さーて、俺は今から何をしよう。」ってなっちゃって。(笑)


長野:集めたけど、笛しか持ってなかったんだ。(笑)


立石:大まかな地図を作って、開発が動き出して、することがなくなっちゃったのよ。(笑)

そう考えると、一歩先のことを準備しておけるでしょ?アプリケーションをAppStoreにリリースしたからと言って、流行るものではない。そんな甘い世界じゃないことは分かっていると。だとすると、今からユーザーになるであろう人たちと繋がろうっていう主旨で始めたのがプロモーションチーム。

正直、いまはプロモーションチームって名前だけでプロモーションはやってないんだけど。(笑)


長野:だからピンとこなかったんですよね…。(笑)


立石:元々の考えは、アプリがあって、それをプロモーションするはずのチームだったの。


中村:そうそう。だから、プロットを準備する段階で、今後ユーザーになるであろう「コンテンツを持っている人たち」が、どういうところに手数を取られているんだろう、どういう機能があったら使いやすいんだろう、そういった情報を集めないといけなくて。

だから私は、イベントというイベントに参加して「すみません、こういうアプリを作ろうと思ってるんですけど…」って言いながら、情報を集めて回ってたのよ。私は本当に、1人でプロモーションのつもりで動いていたの。


イベントに参加しまくっていた友さん。立石さんは「このキャラクターこそがコンテンツ」だと語る。ブレているのは躍動感ゆえ…?



立石:そうやって聞き込みを続けていくうちに、色んな人に声をかけるでしょ。アプリが1年後に完成しますって仮定すると、その人たちを1年間繋ぎとめておかないといけない。だから、1年間繋ぎとめる手段としてSNSを使ってたの。でも、それってかなりしんどいじゃん?


長野:しんどいです。


立石:自分たちが上げるコンテンツがないから。開発日記を書くくらいしかない。(笑)


中村:「中村が足を運んだお店」をアップするしかないのよ。(笑)


立石:そう、そこで次のステップに移るの。「コンテンツを持っている人たちを紹介するアカウント」にしようって。

そしたら、紹介したコンテンツに魅力を感じた人たちが集まって、そこで「アプリをリリースしました!」ってドンって置けば、プロモーションとして効果が出るかなって、それを狙ってね。


中村:でね、それを1人でずっとやってるじゃない?でもね、これ、私、破産するんだけどって話になったの。毎週末のようにお店に行って、紹介してって続けてたらさ、いくら色んな人に出会えたとしても、時間とお金がまじで足りないって。(笑)


長野:もはや地域経済をこつこつ回して破産する人…。(笑)


中村:結果、中村潰れました。みたいな。(笑)

とは言え、そこで繋がった出会いがあって「中村友ってどんな人なのか」っていうところは、割と伝えることが出来たかなと思ってる。あぁだこうだ言いながら、長崎に来て半年で。ただ、本当にキツかった。

これ、人足りないなぁって、プロモーションチームのリクルート活動が始まるわけよ。それから、マルシェをやっていた早紀ちゃんとか、HafHの百合ちゃんが入ってくれるんだけど…。


立石:その過程でちょーのと出会うわけよ。


中村:そうそう!まさに、同じくらいのタイミング!声を掛けた順番でいくと、早紀ちゃんよりも早かった。

私自身が「一緒に何かを創りあげていく仲間」っていうのは、めちゃくちゃ慎重に選びたいから、割とそこに時間がかかった。リーダーに「誰でもいいわけじゃねぇんだよ、ごめん!」って駄々こねてて。

そんな中で私がボマイエのライターになって、ライター陣を見たリーダーが「ガチがいるんだけど」って。(笑)


立石:俺は、中村さんが入ったタイミングでライターを見たのよ。この時はプロモーションチームって言うよりアプリユーザーを探すっていう視点で見てたんだけど、唯一YouTubeのアイコンを設けてるのがちょーのだった。

その時は長崎YouTuber会もなかったけど、長崎を題材にしているYouTuberは、知らないだけでいると思ってたのよ。当時は「ここどこ?長崎!」さんは知ってたんだけど…。

それからリンクをクリックしたら「ちゃんとしてる子がいる!」って。


長野:ちゃんとって何ですか。(笑)


中村:「ちゃんとしてるよこの子ー!」って来たもん。(笑)


立石:ぜんっぜん再生数少ないんだけど!(笑)

全然再生数少ないんだけど、本気で作ってるやつがいるって。俺も動画作ったことがあるからさ、その大変さっていうか…いや、動画作るの、めっちゃ大変じゃん。それが分かってるから、この動画にどれだけの時間と熱量を注いでるのかって言うのが、動画を観た瞬間に分かったの。


中村:「うちらでYouTubeやらないとまずいよね」って話まで出てたから。


立石:だから、HafHの夏祭りのときに「ちょーのがいるうぅ!!」ってなったの。(笑)


中村:「ちょーのだあぁ!!」って。(笑)


長野:そうなんですよ。正直、自分にとって動画は文章と同じで「作るのが好き」なだけで、友だち同士でそれを観て「このとき面白かったね」で終わってたから。

仮に200本300本って動画をアップしたとしても「本物だ!」って言われることを想定してなかった。(笑)


立石:俺、あのとき会った誰よりも興奮したもん。(笑)


中村:私をライターとして迎えてくれたボマイエがそこにいるのに。(笑)


初対面とは思えない3人の笑顔。撮影してくれたのが友さんでした。



立石:アプリに対する想いと、ちょーのに対する想いが繋がってて。埋もれている人たちを引っ張り上げるアプリだから。

例えば、俺は「折り紙」に興味がない。でも、週末に「子ども50人集めて折り紙やります」ってなると、途端に興味が湧くことがある。かと言って、俺は折り紙の人をフォローはしないんだけど、そうやって知ることで興味を持つ人は絶対にいるはずなんだよね。

普段は見向きもしない折り紙が、子どもっていう対象と掛け合わさったときに、これ行ってみようかなっていう発想が生まれる。だから…あれ、これ既に出口が見えなくなってきてるな。(笑)


長野:大丈夫ですよ!NewsPicksの話に流れ始めたら止めますけど。(笑)


中村:もうNGワード言わせちゃったからね、リーダー。(笑)

ちょうどこの時期が、プロモーションに対して色々と試行錯誤してた頃だね。だけど、ちょーのと出会ってからしばらくは関わってないのよ。


長野:8月に出会って、それから12月まで空きましたよね。


立石:その時期にオンラインサロンの話になるんだよ。


中村:昨今のSNSとか、経済とか、世の中のことを知らなすぎたから、何とかリーダーについていこうと思って「オンラインサロンに入る」って言ったの。


立石:その時に俺は「そういう知識を得たいんだったらオンラインサロンじゃない」って言って、NewsPicksを勧めたの。だけど、あらゆる面で直感が凄いって分かってたから。

経済を知りたいのにオンラインサロン…あまりに違いすぎるから、どうしてだろうって考えに考えた。オンラインサロンって、有料でしょ?だけど、うちはそれが出来ない。なぜなら、ホリエモンも西野亮廣もいないから。

そこで、chiico Lab. の発想が出てきたの。


中村:私はね、chiico Lab. とかそういう発想ではなかったんだけど、リーダーがホリエモンとか西野さんみたいにコミュニティを形成していく姿がふわっと浮かんだの。

違うよって言われて、分かりましたって答えたんだけど、気付いたらオンラインサロンをずーっとググってたの。

私はただの派遣社員の主婦、リーダーはただのサラリーマン。だけど、何かできるんじゃないかって模索している中でchiico Lab. が生まれて、最初のミートアップで「課題を共有しましょう」っていう話し合いに至ったのよ。


立石:さっきも言ったけど、1年間繋ぎとめないといけないでしょ。だから、繋ぎとめるツールとしては、凄くいいと思ったの。

だから、はじめの方はあくまでアプリに拘ったのよ。これ、ちょーののアイデアで混乱を防ぐために今は隠してるけど、当時は「アプリケーションがあるから」っていうのを、ラボメンバーの脳裏に入れておかないとって思ってた。

だけど、いかんせんこれが難しくて、アプリケーションとchiico Lab. の関係性が上手く伝えられない時期があった。


中村:そう、だから私はリーダーに何度も怒られた。(笑)


立石:そうだっけ。(笑)


中村:「ラボじゃないんだって、俺らはn-spaceなんだって。」なんて言われて「は?言ってることわかんない!」って。「視点がズレてるんだよね~。」って言われるから「何がよ?(怒)」って、ケンカになるわけ。(笑)

だから、chiico Lab. ではアプリの説明をして交流会に入ってたのよ。

自分たち(n-space)の課題も解決したいし「君たち(ラボメンバー)は今後このアプリを使うんだから、それを分かった上で議論してくれたまえ!」って。

でも、アーカイブ観てたら、私たちは理解してるんだけど、みんなはアプリとラボが繋がってないのよ。


長野:(自分も)繋がらなかったです。


立石:何より「何かをしてもらえる」と思って集まった人が多かった。今はもう、だいぶ(違うけどね)。


中村:ファシリテーターをやってて、みんなの温度差を凄い感じるのよ。これ、まとめるの難しい…!って。


長野:今でこそn-spaceとchiico Lab. の違いは理解しているつもりですけど…最初にラボメンバー候補として説明を受けたときも、やっぱり「アプリがあってのラボ」っていう話だったじゃないですか。あ、アプリのために自分は声をかけられてるんだなって印象が凄い強くて。


立石:これは凄い難しくて、言葉だけで言うと「そうです。」って答えるのよ。これはきっとニュアンスの問題なんだけど、俺はそれを今でも「そうです。」って言う。


長野:自分自身もそうだと思います。


立石:でも、それは相手を詐欺ってやろうとか、利用してやろうっていうモチベーションは全くなくて。ただ、それでも、今でも「アプリケーションありき」で俺はラボをやってる。

伝わらないところは伝えないって腹を括ってるけど、本当はラボメンバーに1から10まで全部話したいのよ。理解してもらいたいんだけど、だったらどこからどこまで伝えるべきなのかっていうところが本当に悩ましくて。

それを伝えようとすると、この前のインタビューみたいに…。(笑)


長野:読者に1つも伝わらなくなる。(笑)


立石:本当に「このアプリで多くの課題を解決できるはずだ」っていう妄想の中で進めてるから、俺の中では全部本当なのよ。だけど、全部を話す時間はないから。そうなった時に、どこまで端折ればいいのか分からない。(笑)


中村:質問2つしかしてないのに、簡潔に終わってない…!(笑)


長野:今のところ、想定内ですよ!


立石:え、本当?(笑)


長野:初めてn-spaceのミーティングに参加させてもらったときに「何でこの人たちはアプリ重きの説明をしようとしてるんだろう」と思ってたんです。

もちろん、それがn-spaceとしての考え方の軸の部分だということは分かっていたつもりなんですけど、受け取り手には「アプリのためか…」って印象を与えちゃうだろうなって。


立石:ほんと、その通りだと思う。


長野:今、こうやってchiico Lab. が盛り上がってきてるじゃないですか。これがどんどん熱を帯びたときに「ほら、アプリ出したから使いなよ~」って言うの、めちゃくちゃかっこいいなって。(笑)


立石:分かる分かる。(笑)


コロナ禍において大活躍だったオンラインツール。これが今のchiicoLab. の盛り上がりを支えている。



長野:ここまで運営をしてきた感触って、正直どうですか?


立石:ここはねぇ、プロモーションチーム全員の感想だと思うけど「ぜんっぜんうごかねぇ!」って。(笑)


長野:間違いないです。(笑)


立石:ここまでの話で、コミュニティだ、オンラインサロンだ、よしやろう。ここまでの話にはなったわけだ。今となっては活性化してきて、だんだん「これ、アプリ要るか?」って思っちゃったりしてるけど…。

とは言え、思ってた以上にまっっったく動かない。(笑)

ホームページ作って、動画も作って、何とか伝えようと必死にやってたんだけど、イメージで伝わらなくて…。やっぱり、アプリを伝えてしまったことで「何かしてもらえる」という印象を与えてしまった。

ここでお互い戸惑うのね。集まった人たちは「何かしてもらえる」と思ってて、俺らは「いや、君らに何かしてほしい」と思ってたから。(笑)


長野:友さんはいかがですか?


中村:私はね、ちょいちょいリーダーと認識がズレるのよ。私が1人で動いて、結果報告したら「違う違う、ズレてるよ」って言われちゃって。


立石:ズレてるの。でも、間違ってないのね。重心が違うだけで、間違ってはないんですよ。


中村:何で急に敬語になった?(笑)


立石:違和感があるからバトるんだよね。(笑)


中村:100点とまではいかないけど、だんだん分かるようにはなってきてる。だけど、この人分かってる体で話をぶっこんで来るから。私は「今やること」を話したいから。

リーダーは、このプロジェクトじゃないコミュニティになるとしたら「俺である必要がない」って言いだすから。ていうか「俺ってなんだろう」って言いだすから。


立石:それはもう…おい、やめろ!(笑)


この屈託のない立石さんの笑顔なくして、このコミュニティは成り立たない…!



中村:基本的には、リーダーがやりたいことを尊重してるし、この人が言ってるんだったら間違いないでしょって思える。時々、私がやりたいことに重心が傾いて意見しちゃうけど。


長野:それはお互い様なんじゃないんですか?(笑)


中村:そ、それは…。(笑)


立石:たしかに。(笑)


中村:そうなんだけど、n-spaceというものを会社と捉えたときに、リーダーは社長だから、この人の意志が経営方針なわけだ。だから、2人で話しながらズレていることは、凄く調整してる。

ただ、「立石が得意なこと」と「中村が得意なこと」は真逆のものだから。先を見て、色々なことを考えているリーダーに対して、私が出来ることはパッションを伝えていくことだから。


立石:そうです。


中村:そういう意味で言うと、最初は苛立ちを感じたというのが正直なところ。何でだよって怒りながらも「私の言い方がまずかったのかな」って思ったわけよ。私が「ここに居たらいいことあるかもよ」って伝えちゃったかもしれないって凄く反省して。

それからTwitterだったりFacebookだったり、やり方をすごく見つめ直したりした。このまま動かなかったらどうしようって悩んで、HafHでのHIUのイベントに参加した。


立石:あれは転機だったね。


中村:まずは、今やれることをやる。これに尽きる。動いてくれる人たちに対して熱量を伝えていった方がいいよって言われて。このイベントを機に、それをやったから動いてくれる人が出てきて…。甘いって言われるかもしれないけど、迎えにいってあげようって考えるようになった。


長野:友さんが「甘いかもしれない」って言ってる、この行動に対して、立石さんはどう思ってるんですか?


立石:そこは、俺もHIUのイベントで(それでいいんじゃないかって気持ちに)切り替わってる。それと別にもう1つ切り替わったのがことがあって。ファシリテーターの人が「でかいプロジェクトをやるより、来週飲み会をやった方がいい」って言ったの。

この話を中村さんとよくするんだけど、俺らは真面目すぎたと。

「みんなの活動が大きくなるために」とか「誰かと誰かが掛け算するように」とか、そういうことに拘り過ぎて、話が凄く重たくなってた。本当はもっと楽しい話をしているはずなのに、重たい雰囲気にしてしまっていたという反省があって。

だから今、Xenoをやろうとか企画してて。そういうのでいいのよ。経済的に規模が大きくなるとか、掛け算ができるとか「も」あっていい。くらいのスタンス。オンライン飲み会しますでいいのよ。

一番最後にあるゴールを見すぎて、目の前のことを見落としてて。


長野:「何かを生まないといけない。」みたいな使命感が…。


立石:そうなの。俺が一生懸命に高めた「しきい値」を、今から一生懸命に下げないといけない。(笑)


中村:本当にね、リーダーが言ってることが全てだね。この人についていこうって思えるし、凄いものが見れる気がしてて。だからこそ、自分が思ったことはちゃんとぶつけるし、間違ってないことは間違ってないって認めてくれるし。


立石:俺も、自分自身の直感について日々考えてる。俺、勘が悪いのよ。(笑)

嫌なことは嫌って言うけど、右か左か分からないときは中村さんの直感に頼ろうと思ってる。


オンラインの盛り上がりがオフラインに。逆もまた然り。これがchiicoLab. の魅力になりつつあるのかと感じた写真。ちなみに私は自主隔離につき不参加だったのですが、べろ酔い軍団からの煽りに煽ったLINEが鳴りやみませんでした。(笑)



長野:これから、個人としてchiico Lab. に還元したいことはありますか?


立石:ちょーのはどうなの?


長野:ちょっとchiico Lab. の話とは逸れるんですけど、これまでサッカーとかバスケをやってて、「ゴールを決める主役」じゃなくて「オシャレなパスを出したい」やつだったんですよ。(笑)


立石:あのね、そこでオシャレって言っちゃうちょーのが好き。(笑)


長野:「今のはもう、決めるだけだよね」っていうパスを出したくて。スポーツやってるのに、争うってことが苦手なんですよね。

それが今の自分の考えに直結してて…そういう意味で、文章や動画っていうコンテンツを使って、ラボに入ってくださった方に何かしら還元したいっていうのは凄くあります。したくないことは、もちろんしないけど。


中村:リーダーは何も考えてないんじゃないかな。(笑)


立石:すげー悪いやつに見えるけど、考えてない。(笑)

でもね、そうだね、これ凄い難しいな…。中村さんから先にどうぞ。


中村:私はね~、何も持ってない。コンテンツもないし、還元できるものがないと思っていて。他人の評価を捉えて動いていくのであれば、人と人を繋げていくこと。おせっかいを焼くこと。

文章である、似顔絵である、みたいなコンテンツも持っていたいなって考えるGWだったなあって。還元するって言い方をすると、熱量を伝えたり、手を引っ張ってあげることなんだけど、そうやってchiico Lab. が盛り上がったときに「あれ、私には何があるんだ?」って凄く考えてしまうのね。

色々考えたけど、「中村友がいるからchiico Lab. に入る」って思ってもらえるような存在になれたらいいなぁと思ってる。


立石:俺は「中村友」そのものがコンテンツになると思ってる。「中村友が勧める○○」みたいなことだったり…それこそ似顔絵、整理収納、と同じ列に並べられるコンテンツになると思ってるかな。

俺がメンバーに何を還元できるのかっていう話なんだけど「還元する気持ちがない」っていうのが、まず大前提。ただ、アシストっていうところで言えば、今このプロジェクトそのもの。アプリケーションを提供してあげることがアシストだと思ってる。あとは、テレビっていう枠組みを提供したい。


長野:最後に、ぶっちゃけ長崎は好きですか?


中村:私はね、本当にポテンシャルが凄い街だと思ってる。


立石:俺はね、「長崎って○○だよね」って言われるとすげー腹が立つ。(笑)


長野:みんな「長崎が好き!」ってことで、お後がよろしいようで。




なんとなく始めたYouTubeがきっかけでボマイエひでおさんと出会って、ライターになったことで立石さんの目に留まった。積極的に声をかけてくれた友さんのおかげでchiico Lab.n-spaceに興味が湧いて、今ではプロジェクトメンバーとして活動させていただいている。

そして、このchiico Lab. で出会ったTANOさんタカさんまなさんにインタビュー記事を書く機会をいただいて、それがきっかけで好きなことが仕事に繋がった。

決して、自分の努力だけで仕事にはならない。

今になって思うことは、ここに書ききれないほどの出会いと繋がりが今の私を支えていて、この繋がりが明日の誰かを支えるかもしれないということ。

そして、そのバトンを繋いでくれるコミュニティこそがchiicoLab. なのだ。




立石健悟について
chiicoアプリの開発・プロモーションを手掛けるn-spaceプロジェクトのリーダー。

中村友について
同プロジェクトのプロモーションリーダー。

▼リンク
n-space
chiicoLab.


Text by...

文筆家。コワーキングスペースで働く傍ら、地域コミュニティchiicoLab.の運営に携わっています。その他、長崎のローカルメディア「ボマイエ」や「ナガサキエール」などでライターとして活動させていただいています。

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1件のコメント

  1. […] — 私はコンテンツを持ってないから。先日インタビューをさせていただいたn-spaceの友さんと話をしていると、よくそんな話になる。すると、同じくn-spaceの立石さんが決まって「中村友がコンテンツだから!」と諭すのだけど、当の本人は腑に落ちていない様子。— ちょーのは文章も動画もあるから。これはその2人からよく言われるセリフで、そんな言い方をされてしまうと多少の違和感は感じるものの悪い気はしないので「そうですね~…。」なんて、やんわりと肯定する。それから電話を切って1人になると、さっき感じた多少の違和感がみるみるうちに肥大化していく。文章を書けるから何なのか。動画を編集出来るから何なのか。普段使わない表現をするときは言葉の意味や使い方だって調べているし、編集だって専門用語が分かるわけじゃない。たまたま周りにこれらのツールを使っている人が少ないだけで、知らないだけで、ちょっと見上げれば自分より優れている人なんてごまんといるだろう。そうやって見上げては「コンテンツってなんだーーーーーー!!」なんてことを思って、このまま丘の上から叫びたくなってしまう。とは言っても自主隔離期間中の #StayHome なのであぐりの丘に行くわけにはいかない。代わりに枕に向かって叫んでみたけれど、ちっとも心は晴れなかった。 […]

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