料理と母

エッセイ

いまはもうまったく手をつけていない、

「料理」

をつくっていたころのお話。

数年前にカレー、麻婆豆腐、麻婆春雨、太麺皿うどん、などをつくるのにハマっていて(どれも超お手軽やけど笑)、

とある日 食べおわったあとに、ふと諫早に住んでいる母のことを思いだした。

僕が小さなころから、竹口家ではおもに母が毎日料理をしてくれた。

物心ついたときからまるで当たり前かのように、1日3食を確約されてきた。

母は若いときからいつも仕事に奔走する日々。
朝早くから出勤し、家事をふくめて毎晩遅くまで働きつめるかたわら、竹口家の子どもたちを20数年育てあげてきた。

「CDを聴いたり、DVDを観たかけど、そんなヒマがなか。」

当時学生だった自分は母からそう聞いて
「いや、そんなわけなかやろ。好きなことやったら時間をとれるはずじゃないと?」
などと疑問を呈してた。

しかし本当に最近、僕も朝早くから夜遅くまで就労とプライベートをあわせてやりたいことだらけなシチュエーションとなった結果、

当時母が言っていたこととまっったく同じ状況になった。笑

料理もしてないのに。笑

その状況を経験したことのないガヤの人間の発言ほど恐ろしいものはない。


僕が諫早に帰ったときも、聞き上手な母のおかげで僕のプライベートの話ばかりに華が咲いてばかりだ。

最近も母自身の話をあまり聞けてなかったが、

ささやかながら好きな音楽は聴けているだろうか。

好きな本は、読めているだろうか。

いま、どの韓流スターがいちばん好きなんだろうか。

ことしの母の日も落語の慰問活動の真っただ中で、何もできずじまいだった。

だから今度諫早に帰ったあかつきには、なにか書籍関係のものでもプレゼントしようか。

そしていつだったか仕事から帰って、晩の料理をする前にため息をもらしてたあのときの息をまた吸ってほしいがために、

料理をつくってあげよう。

ライター/竹口耕輔

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