【第9話】Team History 2011-2019

エッセイ
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恵介が去った後のチームは、以前よりも少しずつではあるが声が飛び交うようなチームに成長していた。迎えたリーグ戦ではなかなかチームとしては結果が出なかったものの、夏ごろからある選手がメキメキと頭角を現していくことになる。

夏になると、2回目の参戦となったベスメン大会と、その翌週にはフープリーグの土日2連戦が続いた。ここでも残念ながら勝利をもぎ取ることはできなかったのだが、この3連戦で絶好調だったのが健斗だ。
中に切れ込んでも、外から打たせてもとにかく点が入る。もちろん、ほかのメンバーよりもボールを持つ時間が長かったことはたしかだが、驚いたのはその精度だった。健斗はこのTeam Historyを常にチェックしてくれているので「違いますよ!」と言われてしまうかもしれないが、とにかくこの時期は毎試合20点以上を稼ぐのが当たり前といっても過言ではないほど活躍していたはずだ。

その後も公式戦ではなかなか結果が出ない日々が続いていたのだが、秋口に入ったころのリーグ戦でいよいよ結果が出る。

この試合で対戦したのは「三和クラブ」

初めて対戦するチームで、平均年齢は相手が上だったものの、若くて大きい選手が2人、インサイドでプレイしていたような記憶がある。

この試合ではこれまでと違い、前半でかなりのリードを奪う。ハーフタイムの段階では、勝てるんじゃないかと完全に油断していた。
迎えた後半、相手が2-3のゾーンディフェンスに切り替えたところで状況は一変する。ミドルサードで打たされるような展開が続き、徐々にシュートタッチも悪くなった。速攻で崩されるような展開にはならなかったものの、こちらの点数が入らないことでじりじりと点差を詰められ、ついに逆転された。

最終ピリオドに入っても状況は変わらなかったのだが、3点差をつけられたタイミングで健斗が放ったミドルシュートのこぼれ球を宏嗣がなんとかゴールにねじ込み1点差に詰め寄ると、続く相手の攻撃を宏嗣がわずかに触ってカット。ルーズボールを拾った和也が矢のようなボールを前線に送ると、走り出していた健斗がそれに反応した。ここで事件が起こる。

パスカットを狙った相手選手がボールに触れ、それが健斗のおなかに当たり、一瞬エンドラインを越えたかに思われた。健斗はそのまま後ろを追ってきていた上野にパス。ここでパスカットを狙った選手がアツくなり、まるでアザラシのような声で審判に抗議をしたものの、笛はならない。

大会の途中でRADWIMPSのライブに行くような冷徹人間代表の上野がその隙を見逃すはずがない。どフリーの状態でしっかりと体勢を立て直した放ったスリーポイントシュートがリングを射抜いた。非情にも、シュートを沈めた上野はいつものようにニヤニヤしていた。

その後、相手にフリースローのチャンスを与えてしまったものの、相手選手が2本とも外してくれたおかげで試合終了。ぎりぎりの接戦をものにした、嬉しいリーグ初勝利だった。

結局、Planetのリーグ参入となったこのシーズンは、この試合以外は全て負けてしまった。もちろん結果だけ見ると残念なシーズンではあったが、チームとして年間のリーグ戦を戦い抜いたという点では収穫だった。

チームとしての団結が深まり、ようやく出場した公式戦での勝利。Planet体制になってからというもの、何もかもが新鮮で楽しかった時間を過ごしていたが、次のシーズンは誰もが予想だにしなかった結末を迎えることになる。


続く

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エッセイ
歩く人と止まる人

さて、今日の記事は何を書こうか。記事を書けない状況にあるときには次々と書きたい話題が次々と出てくるのに、かしこまって考えてしまうと出てこない。駅からはバスで帰るため、駅に着くまでの20分間で今日更新する内容を決めよう。文章はそれからだ。最近買い替えたばかりのスマートフォンをポケットにしまった。

エッセイ
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【第14話(終)】Team History 2011-2019

こんな経験が出来たのは、ひとえに自分の発言に賛成し一緒にHYTを立ち上げてくれた平田・増田。Planetとして活動するきっかけを作ってくれた上野・敦志。活動休止後に再起を促してくれた健斗・宏嗣・和也。そして村崎・蓮・泰樹をはじめ、今までもこれからもチームに関わってくれたメンバーや周りの支えがあってこそだと、心から感謝している。

エッセイ
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【第13話】Team History 2011-2019

前回参加していた時はリーグの参加は強要していなかったものの、「みんなが出るなら…」くらいの気持ちで登録をしてくれていた人もいると思う。しかし今回の選手登録は、同じように「出たい人は登録して、試合は出なくてもいいという人は強制はしない」と言い、それぞれが本当の気持ちで登録したり、登録しなかったりの選択が出来た。